ベトナム・日本、デジタル時代における越境電子商取引協力を促進

 

 

 

202662日、在大阪ベトナム総領事館商務部は、ベトナム商工省電子商取引・デジタル経済局と連携し、大阪市内で「ベトナム・日本間の越境電子商取引の促進:市場の連結と持続可能な輸出拡大の可能性」をテーマとするセミナーを開催した。

本セミナーには、両国の政府関係機関、貿易振興機関、経済団体、企業のほか、電子商取引、物流、デジタル決済、輸出支援などの分野に携わる関係者ら50名以上が参加した。

セミナーは、電子商取引をめぐる最新動向を共有するとともに、市場開拓に関する実務経験を紹介し、ベトナムと日本のデジタル経済分野における協力を一層促進することを目的として開催された。

開会挨拶で、在大阪ベトナム総領事館のグエン・チュオン・ソン総領事は、ベトナムと日本の「包括的戦略的パートナーシップ」が、経済、貿易、投資を中心に良好に発展していると強調した。その上で、世界経済がデジタル化へと大きく移行する中、越境電子商取引は有効な市場開拓手段となっており、特に中小企業にとって新たなビジネス機会をもたらしていると述べた。

総領事は、日本は品質、安全性、原産地、持続可能性などに関して高い基準を有する大規模市場であり、これらの要求はベトナム企業にとって課題である一方、農産品、加工食品、衣料品、手工芸品、環境配慮型製品などのベトナム産品が日本市場で存在感を高めるための機会でもあると指摘した。在大阪ベトナム総領事館および商務部大阪事務所は、今後も両国企業のデジタル化と輸出拡大を支援する橋渡し役を果たしていく方針を示した。

セミナーでは、ベトナム商工省電子商取引・デジタル経済局の代表が、ベトナムにおける電子商取引の発展状況、デジタル経済の新たな潮流、オンライン消費者の行動変化、ならびに両国企業にとっての協力機会について説明した。ベトナムは、若い消費者層、テクノロジー活用の進展、デジタル決済、物流、デジタルプラットフォームの整備を背景に、東南アジアにおける活力ある電子商取引市場の一つとして注目されている。

また、同代表は、2025年電子商取引法の概要と、今後の法制度整備の方向性についても紹介した。ベトナムでは、デジタルプラットフォームの責任の明確化、消費者保護の強化、取引の透明性向上、安全で信頼性の高い持続可能な市場形成に向けた取り組みが進められている。

在大阪ベトナム総領事館商務部の代表からは、Amazon、楽天、TikTok Shop、ライブコマースなどの電子商取引チャネルを通じて日本市場に輸入される商品の消費動向や基準について説明が行われた。日本市場は購買力が高く、安定した需要を有する一方で、製品品質、原産地、包装、日本語表示、物流、アフターサービスなどに厳しい基準が求められる。そのため、ベトナム企業には、日本語による商品情報の充実、品質管理体制の強化、現地パートナーとの連携が重要であるとの認識が示された。

セミナーでは、日本で事業を展開するベトナム企業による実務経験の共有も行われた。Matsuyoshi Worldは、ベトナムから商品を輸入し、楽天市場で販売してきた経験を紹介した。また、Fone Houseは、日本市場での販売アプリ運営の実例を踏まえ、ベトナム産品を日本の電子商取引エコシステムに取り込むためのソリューションを説明した。これらの発表は、プラットフォームへの参入、オンライン店舗の運営、物流対応、販売チャネルの構築に関する具体的な示唆を提供した。

日本企業も意見交換に積極的に参加した。ベトナムからの商品輸入に関心を示すだけでなく、日本の製品、ブランド、サービスを電子商取引を通じてベトナム市場に展開する可能性についても高い関心が寄せられた。議論では、ベトナム消費市場の規模と潜在力、オンライン購買の動向、B2BおよびB2Cの市場参入モデル、法規制、物流、決済、流通チャネルなどが主なテーマとなった。

こうした関心は、ベトナムが生産・輸出拠点としてだけでなく、日本企業にとって魅力あるデジタル消費市場としても認識されつつあることを示している。

今回のセミナーでの議論を通じ、越境電子商取引が国際貿易における新たなインフラとして重要性を増していることが改めて確認された。電子商取引は、市場間の距離を縮め、顧客開拓コストを低減し、企業がグローバル・バリューチェーンへより深く参画するための有効な手段となっている。

大阪で開催された本セミナーは、電子商取引およびデジタル経済分野におけるベトナム・日本協力のさらなる可能性を示すとともに、デジタル時代における両国の包括的戦略的パートナーシップの深化に寄与するものとなった。